この土地が信州らしく、蒼蒼と爽快に輝く五月。
この季節に岸野寛氏の陶磁器をご紹介させて頂きますのは、
初めてのこととなります。
長野では、水を吸い上げた若々しい野菜が並び始めるころ。
初夏の瑞々しい食材、
その舞台となる私達の食卓に似合う器を、
届けて下さいます。

三島の化粧は明るく、
黄瀬戸には緑の小花が健気に咲き、
白磁に、湖の如く翠の結晶が留まり、
器にも初夏の空気が纏われているようです。

氏の日々の切磋琢磨と、食べ、呑むことを愉しむ心の積み重ねが生む器は、
私たちにささやかな日常の歓びを与え、
日本の季節の豊かさへの感受性を高めて下さいます。
家庭を担う方、食べること呑むことがお好きな方、
ぜひ多くの皆様に御高覧頂き、
皆様の食の力の充ちる舞台にお届けできますことを願ってやみません。

作家在廊日　5月12日（木）

–
岸野寛
1975年　京都市精華町生まれ
京都市立銅駝美術工芸高校陶芸科卒業後、福森雅武氏に師事
2004年　伊賀市丸柱に築窯
2005年　幾一里（京都）にて初個展
2007年　ギャルリ夏至にて個展
2011年　ぎゃらりい思文閣（京都）にて個展
2012年　日本橋高島屋にて個展
2013年　阪急うめだ本店にて個展
以降、展覧会開催