蚤の市
秦泉寺由子
2025.7.12 (sat) – 7.21 (mon)

先日生家の邸宅仕舞いをし、新たな家屋へと移植した秦泉寺。門塀、建具、瓦、
庭石、庭木、調度品…。あらゆるものは解体移送され、その受容箱となるハウス
にて貼り付けられ組み立てられる。その様はまさにパッチワーク・キルト、見事
なまでにコラージュされていた。
秦泉寺は海外生活の中、アーミッシュキルトが宿す精神性に魅せられ、白い青竹
染の発見と共に、私たちを布の重なり、白の重なりの世界へと誘ってくれたキル
トアーティストである。約40年に渡る海外滞在の中で、世界各地の民藝品や服飾
工藝品等、多様な品々を蒐集し、愛蔵してきた。
2022年、弊廊の20周年記念展では、青竹染キルトをはじめ、長尺の天然染色絹布
を、布の川のようにダイナミックに展示してくれた秦泉寺。今展では、自身の染
色作品に加え、まさに旅のような人生でのコレクションの品品を託してくれると
言う。人形、水晶のネックレス、オールドバティック、アーミッシュラグ、カバ
レット、古書…。
「次の方たちへと手渡したいの」秦泉寺由子と言う白布の旅人の軌跡を、品品と
共に辿り、そして明日からは私たちの友として携え、未来へと旅をしたいと思う。
作家在廊日 7月12日 13日
閉廊日 火曜
–
1965 京都女子大学卒業
1968 北米に滞在(〜1980)
1980 「ジンゼンジヨシコ・キルトグループ」結成
1991 「スタジオ・ジンゼンジーGrass House」をバリ島に設立
1994 第一回「現代の道具展」出品を機に白色を探求「竹染め」を見つける
2005 「秦泉寺由子のキルトの世界」倉敷民藝館
2007 「秦泉寺由子 in Kouchi 特別展-キルトの世界 植物の神彩」高知県立牧野植物園
2008 「QUILT Creation」兵庫県立美術館 他日本、海外にて個展、合同展開催
2022 「手渡す白」長野県立美術館・gallery夏至
<美術館収蔵>
Museum of Art and Design(New York, U.S.A)
The Victoria and Albert Museum(London, U.K)
Spencer Museum of Art(Kansas, U.S.A) 他