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手渡す白_赤道の草の家から
秦泉寺由子
20周年記念展_0
会場Ⅰ|夏至|2022.6.10 (fri) – 6.21 (tue)
会場Ⅱ|長野県立美術館しなのギャラリー|6.10 (fri) – 6.13 (mon)

長い白髪の女性が純白のキルトに包まれる姿、20数年前誌上に映るその
白い世界に一目で恋に落ちた。
その女性(ひと)の名は秦泉寺由子。世界的なキルト作家であり、白を
染める初の染色家である。

秦泉寺は20代に渡米、此の地の生活に根を下ろすキルトに心を奪われる。
中でもプレーン・ピープル(簡素な人々)と称されるアーミッシュによる
手仕事”アーミッシュキルト”が宿す精神世界に強く魅了されたという。
独学で始めたキルトは、やがて素材としての植物染め、実験的な幾何学
装飾、そして真白な青竹染めへと創造を広げていくこととなる。

’80年に帰国した秦泉寺は、インドネシアの美しい植物染めに出逢う。
すぐさま亜熱帯の島々へと向かい、その鮮やかな植物のエネルギーを布
へと写していく。
「植物は生命力に溢れ、太陽の光の輝きを求め、生命をつないでゆく。
その自然の律動がつくった彩はまさしく命のエッセンスである。」

その熱帯の溢れる色彩の中、なぜ秦泉寺は白を染めようとしたのか。
ある日本での漆芸家との展、その漆黒と対峙するため白を染めようと閃
く。白絹を白で染めるのだ。草花や果実、遂には海藻まであらゆるもの
を試し、もう本当に何も染めるものがない、とふと見上げた先にあった
のが、手引書には染まらないと記されていた竹、庭の竹林であった。

「私を試したの、私で染めてみたら」
内なる声に導かれるように、最後に、と染めて見ることにする。その奇
跡の光景を秦泉寺が語るとき、私たちは白の目撃者となる。その青竹で
染めた白絹は、竹林に射し込む真っすぐな光の中、白く美しく輝いてい
たのだ。

「つまり一貫した染めから織、織からキルトづくりへと、私を今日まで
導いてきたのは、そのような”0”からのスタート、クリエーターとして
の創造、生命を与えていくことの喜びだった。」

2002年6月21日夏至の日の開廊より、20年の月日が経つ。
昼と夜が交差するこの6月に、ひとりのアーティストによる冒険と挑戦
に充ちた白の軌跡をご紹介したい。現在はアトリエを閉じ、キルト・染
色の仕事にも幕を下ろしている。僅かに手元に残した貴重なキルト、
そ
して自然物の命を写し続けた白い世界を、今、多くの皆様と共有し、次
時代へと活かされることを切に願うばかりだ。

私は今日もこの白と暮らしている。
白布に風を知り、光を見、明日の力
を貰う。彼女の人生のように、秦泉寺の白はとても豊潤で無垢だ。人間
は一本の糸と針、そして自身を信じる力があれば、
心を震わす世界を想
像し創造することができる。
いつだって0から。

この20年間、夏至という小さな存在にご尽力を下さいました皆様、
この
空間へと足をお運び下さいました皆様には感謝の意を。
そしてこれから
出逢う皆様には、初めましてのご挨拶を。





秦泉寺由子|Yoshiko Jinzenji
1965年 京都女子大学卒業
1968年 北米に滞在(〜1980)
1980年 「ジンゼンジヨシコ・キルトグループ」結成
1991年 「スタジオ・ジンゼンジーGrass House」をバリ島に設立
1994年 第一回「現代の道具展」出品を機に白色を探求
    「竹染め」を見つける
2005年 「秦泉寺由子のキルトの世界」倉敷民藝館
2007年 「秦泉寺由子 in Kouchi 特別展-キルトの世界 植物の神彩」
     高知県立牧野植物園
2008年 「QUILT Creation」兵庫県立美術館
     他日本、海外にて個展、合同展開催

<美術館収蔵>
Museum of Art and Design(New York, U.S.A)
The Victoria and Albert Museum(London, U.K)
Spencer Museum of Art(Kansas, U.S.A) 他


作家在廊日 6月10日(金)11日(土)12日(日)13日(月)
閉廊 6月6日(月)-9日(木) 14日(火) 22日(水)-24日(金)




今展は初日より4日間、新たに生まれ変わった県立美術館しなのギャラ
リーとの二会場にて開催いたします
会場Ⅰでは、竹染めによる美しい布や衣服、ベビーキルト、生活の誂え品
など、数十年に渡る仕事の数々を
会場Ⅱでは、長布によるインスタレーションと二つの催しを
15日(水)からは会場Ⅰにて共に展示いたします





● Event 1 白への献花  *要予約
秦泉寺さんと親交の深い花士珠寶さんに花を献じて頂きます
会場|長野県立美術館 B1Fしなのギャラリー
日時|2022年6月10日(金) 開場13:30 14:00_15:00
花士|珠寶
会費|3000円

花士 珠寶|はなのふ しゅほう
2004年から京都の慈照寺(銀閣寺)にて初代花方を務める 2015年に独立
草木に仕える花士として、大自然、神仏、人に花を献ずることを国内外で
続けている 同年、青蓮舎花朋之會を設立し花を通して総合的な豊かな生
活時間を提案している 2017年_2020年、京都造形芸術大学美術工芸学科
客員教授 2021年、京都府立大学非常勤講師して自然物の命を写し続けた
白い世界を、今、多くの皆様と共有し、次青蓮舎花朋之會を、東京、九州、
名古屋、中国にて開場 能楽、現代美術、音楽、工芸、建築などの国内外
のクリエーターとも協働する
www.hananofu.jp


● Event 2 白への軌跡 アーティストトーク  *要予約
秦泉寺さんによる美しいスライド写真と共にバリ島での制作や生活のお話
を伺います
会場|長野県立美術館 B1Fしなのギャラリー
日時|2022年6月11日(土) 14:00_15:00
話し手|秦泉寺由子
会費|1000円

● Event ご予約
申込|夏至まで ご来廊 又は mail|info@geshi.jp
受付|6月1日(水) 11:00 より受付開始いたします
mail|①イベント名 ②氏名 ③参加人数 ④電話番号を明記



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