おかしみふたつ
安部仁美 竹工 小山剛 木工
2026.9.12 (sat) – 9.23 (wed)

おかしみとは古語の「いとをかし」の”をかし”。
風情がある、愛らしい、心惹かれる、などと言った意味合いで、情景
や心情への情緒を詠っているのだろう。露宿り月冴える9月、二者に
よるおかしみをお送りしたい。
安部は白竹を用いて筥やバッグを編む。彼女の技量と感受性が反映さ
れたそれらは、緻密でチャーミング。安部は、主を成す網代編みは織
物の表現に近いと話す。布を織るように、編み目のリズムや質感、身
体性などを細やかに感じ取り編み上げる。
その中、編み上げない選択をした加飾も。フリンジやフリルと名付け
たそれは籠のための衣装のようで、機能という使命をふわりと翻す。
自制と知性の竹編みのボディと挑戦と独創のドレス、その危うげなバ
ランスに魅了されている。
一方小山は、樹齢のある老木を主材に、盆などの生活道具と彫刻的作
品を制作する。年齢を重ねた木は、その硬い樹皮の下に芳しい内部を
それぞれに秘めている。畏れと敬愛を抱きながら、その蓋を開いてい
くのだ。小山の手により顕された木塊は滑らかで、新しい生命を宿し
たかのよう。
新しさは形状にも反映され、クッキーのような穴の空いた皿やドーナ
ツと見紛う程の柔らかな凹みを創り、私たちの思い込みを刺激する。
これまた機能からの開放を試みているようだ。
共に職人的な美しい手工藝を学び、その礎の上、既成の解体と未来の
再構築に臨む二人。愛でる日々の中、おかしみなる二つの月が、あな
たの夜空にぽっかり浮かんでくるかも知れませぬ。
作家在廊日 9月12日
閉廊日 火曜 9月9-11日 24日25日
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安部仁美
1974 大分県に生まれる
1992 女子美術大学短期大学部にて染織を学ぶ
2000 MAISON MARTIN MARGIELA日本旗艦店立ち上げチームに参加
2011 大分県竹工芸訓練支援センターにて竹工芸の基礎を学ぶ
2015 大分県のアトリエにて制作を始める
小山剛
1983 新潟市に生まれる
2002 飛騨高山にて木工の基礎を学ぶ
2004 木工家 谷進一郎氏に師事
2010 長野県軽井沢町にて独立
2016 夏至にて個展
2018 長野県小諸市に制作拠点を移す
