紙は　残す使命を享け　生まれた
素（しろ）きもの　まっさらなものとしてあり
故に　文字を載せ　畳まれ　汚される宿命を背負っている

彼女は　彼女が漉いた紙に　素素と名付けた
素としてあるため　素（しろ）くあるため
その白い手は　冷水のなか働き続け　澱むことを好まない
波は鎮まり　夜に眠る漣のように　均一なゆらぎをもつ
素（しろ）紙が生まれていく

今展では　木や土などの異素材を招き
型染めの小箱や和紙貼の飾り棚他　様々な作品に仕立ててくれている
彼女の愛する　キャンパスとしての素紙が
紙の旅の始まりとなり　あなたの標しを残す始まりとなることを願っている

協力　真吉｜木　林友子｜木と土　望月薫｜陶

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素素/SOSO
1998　後藤茂氏のもと紙漉きを学び、その後、国産の良質な天然素材による丁寧な仕事を行っている。住宅や照明器具の紙をオーダーで漉く他、自身の作品作りも手掛けている