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福田敏雄 高田晴之 土田和茂
2024.3.9(sat) – 3.25(mon)



ここに、このご案内を届けられることを幸いに思います。



今展の三方が住まうのは石川県輪島市。元日の大震災に見舞われた
その地であります。彼らも例外では無く、現状を伺えば展覧会はお
ろか、仕事の再開も遠く遠くに思えるものでした。
現在も二次避難先から数時間掛け自宅に戻り、整理をされる日々。
その中でも三人は、いつもと変わらぬ明るい声で話し、漆の仕事へ
の希望を伝えて下さるのでした。

2003年3月に初開催した漆展も10回目。輪島よりいよいよ三者が揃
い、皆で展を迎えることを愉しみにしておりました。
その仕事場には展示のため、仕上がり間近の漆器も多くあったはず
です。それら全てをお届けすることは叶いませんが、出展先や仕事
場で救われた作品があるかも知れない。
10回目より始まる、小さな一歩の記念展です。

彼らから届くメッセージに、涙し、励まされ、喜び合う2ヶ月。北
陸能登半島の地、輪島という美しい土地で育まれた塗りもの文化が
私たちの食卓に、掌に、続いていきますよう。
皆様のお運びをそれぞれの土地よりお待ち申し上げております。




今展での売上は、出来うる限りお三方へお渡ししたいと思います。
お力添えを賜りますと幸いでございます。





閉廊日 火曜 3月6日(水) – 8日(金) 27日(水)




福田敏雄
強く優しく使いやすい漆器を探求し、塗りものを我々庶民の手
に戻した功労者の一人。隅々まで行き届いた丁寧な仕事、品が
あり落ち着いた器の姿に愛用者は多い。漆塗りの常に、挑戦し
続けてきたゆえ、漆本来の美しさを知る優しき塗師である。

高田晴之
椀木地職人として有能な仕事をする傍ら、自らの作品を制作。
作品には、実用と共に驚きや物語性が表現されている。轆轤師
としての実直さと業が、作品の独自性と優美さを可能にしてい
る。

土田和茂
日本古来の風習の残る町に暮らし、暮らしの中、古典漆を体感
しながら制作をする。その歴史を辿り、古の漆器のフォルムと
塗りを自身に染み込ませつつ、輪郭が立ち現代性を孕む漆器を
目指す。

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