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冬青
林友子|平面作品・額縁
2022.12.10 (sat) – 12.26 (mon)

「私にとってバランスとは何か。次の2点を意識すること。一つは透明な時間。二つ目は透明な言語である。」林友子

林友子は土や木、紙、箔等を素材とし平面作品や額縁を制作している。砕き、塗り、彫り、砥ぎ、削り、そしてまた塗り、と、土と時間との四角い積層を成していく。

林はこの冬展の色として、白と黒そして青を作品軸に置くと言う。長野の冬は厳しくそして美しい。凍てつくような朝霧、雫を落とす氷柱、足許では霜柱が歌う。見上げれば夜空は艶々に磨き上げられその漆黒に星々が瞬く。
青は光と闇を繋ぐだろう。やがて氷は大地に解け、大海となり大気となり、境界線なくグラデーションを魅せてくれる。

肉体に、もし深海のように光届かぬ部分があるのだとしたら、思考に、もし大気圏の上までも駆ける力があるのだとしたら、このシカクい入り口は、昇降する梯子を差出してくれるだろう。
透明な時間はなかなか顔を出さない。それでもこの入り口を前に、肉体の深海へ想像の大気圏外へと、彷徨ってみたい。






(略)父は暗いうちから体を起こしてくれと言う。ベッドに座ると日が昇るのをじっと待っている。空が朝焼けに染まると黙って長い時間手を合わせる。蕾が開くと、子供の頬に触れるように固まってしまった手でそっと撫ででなにか話しかけている。父の体を拭いていると背中に何か感じた。顔を上げると蕾に触れた時のように撫でてくれた。最後に残るものは生存に関わる食欲や睡眠欲等の基本的欲求ではないのではないか・・・・ということが言葉にならなくても皮膚感覚で伝わったように思う。私自身も、あの時は窓越しに見る植物や空の色、肌に感じる風、水の匂いは鮮明だった。そして、なぜあんなに多幸感に包まれていたのだろうか。その時間を私は「透明な時間」と呼ぶ。(略)平面作品も額も透明な時間への入り口なのである。 林友子


HAYASHI Yuko
女子美術大学産業デザイン科工芸専攻卒業 ディスプレイ会社勤務後、家業の高田屋にて木工制作を始める 東京藝術大学・田口安男教授に西洋古典金箔技法の指導を受ける その後、左官材、箔、木地等を使い、額縁の表現に独学で取り組み始める 現在は額縁から派生し、平面作品や花入れ等の造形作品を発表している




在廊日 12月10日(土)
閉廊 火曜




夏至という名を想うとき、白いものや光の様、いつもその存在を意識してきました。21年目を迎え、対となる黒や闇に在るものを覗いてみたくなり、小部屋をつくることにしました。小部屋のはずがいつの間にか大部屋になり、果たしてどうなりましょうか。林友子展にてお目に掛かりましょう。


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