実在の青
加藤尚子 硝子造形
2024.6.15(sat) – 6.24(mon)
海が好きな加藤は、旅先に島を選ぶことが多い。強い空を
自分とは異なる概念に出会うと、異質なもの怖いものと認
識し、受け入れることが難しい。私はこの異質なものを、
私にとって時別な色であるブルーで現してきた。
しかし、これこそが本質であり取り除くものではなかった
ことに気が付く。一滴のブルーは1筋となり、流れとなり
私の中で大きな存在となっていく。
コントロールできない青い色の動きに驚きと美しさを感じ
るように
それは確かに存在し、純粋に美しく澱みなく、私の前に立
ちはだかっている。
加藤尚子
硝子鋳造にて自身の心象を綴る加藤尚子。加藤にとって
“青”は特別な色である。
海が好きな加藤は、旅先に島を選ぶことが多い。強い空を
一身に浴び、少し濃度のある海水の微睡に包まれる。旅か
ら得る青は懐古、いつかの安らぎへの記憶なのだろう。
反面、青は恐怖の色。白紙に垂らしてしまったブルーのイ
ンクのように、消すことの出来ない異質を象徴するものだ
と言う。
「私はコントロールできない青い色の動きに驚きと美しさ
を感じます。」
一滴のブルーが、広がり、滲み、混ざり、硝子の中に溶け
合う様を、私たちはどう受け取るのか。加藤の硝子作品の
中には、漣のような違和感と光を得た美しさがいつも共に
ある。
そしてあなたの中にも、その両面の青色が実在している。
作家在廊日 6月15日(土) 16日(日) 22日(土) 23日(日)
閉廊日 火曜 6月12日(水) 13日(木) 14日(金) 26日(水)
加藤尚子|鋳造ガラス造形作家
神奈川県横浜生まれ
1996 女子美術大学芸術学部工芸学科卒業
1998-2000 グラスアートクラス代官山講師
2001- 女子美術大学芸術学部デザイン・工芸学科非常勤講師
現在 女子美術大学准教授